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ここであえての 五十嵐 貴久「リカ終了のお知らせ」

400頁を超える小説を半日にして読み終えた。
昨日の外出時に調達したもの。

この本はもう何年も前に買ったのだが、暫く読む時間がなく本棚にしまったままだった。

ホラー系が好きな私なので、買ったことに間違いはないが、その何に惹かれたかは思い出せない。
例えば、あらすじとか…

でも、この系のホラーのあらすじを読んでいたら手にとっていない部類かもしれない。

先が読めてしまうから。笑

でも、暇だし読み進めることに。

 

ネタバレ含めレビューしていきます。

 

RIKA リカ 五十嵐貴久

ホラーサスペンスであるが、本のタイトル通りに誰が主体となって話が進むのかは読めてしまう作品である。

 

しかし、この作品の真の恐怖はリカだけではないということに気付いて読むとまた違う感想が生まれると思う。

また、自分自身や価値観を省みる意味でも読んでほしい作品である。

 

簡単にまとめると…
主人公である印刷会社勤務の本間は、大学時代の後輩にそそのかされて、偽名を使い本田としてネットの出会い系サイトに登録する。
最初は半信半疑で始めたものの、メール恋愛という特殊な次元の感覚に、ドキドキや妄想、忘れていた気持ちが蘇ったことで、その世界観にのめり込んでしまったことが悪夢の始まりだった。

 

初版は平成15年。

私が12,3歳の時で、ちょうど家にもノートパソコンがきた頃。
最先端機器に興味津々で休日はへばりついて一日中ゲームとか、それこそネット繋いでチャットとかしてたなー

この物語も当時の社会情勢が主人公の過ごす生活の中で描かれているので、知っている面には懐かしさを感じ、知らない面には発見があり、ちょっとした雑学が増えましたw

 

そして、ネットが普及した時点から取り締まれない闇が隣り合わせだったのかと思うと、単純に怖い。

というのは、今では当たり前のネットというツールかつメディアであるが、簡単に対人関係を狂わすことができたり、個人情報を特定することができたり。
インターネットの普及とともに、これらのセキュリティは侵害され、対策されの繰り返しで、15年近く経つにも拘らず、未だ安全は確立されていないのが現状。

つい最近問題となった、ベトナム国籍の女児殺害事件。

犯人を思わせる投稿がネットにいくつもあったが、犯人特定は難しかった。
非常識である恐ろしい考えを持った人間の考えは、時と場合を問わず常に発信され、世界中の誰もが目にすることができる状況なのである。

 

この作品では、インターネットの世界観と恐ろしさを

魑魅魍魎(ちみもうりょう)

跋扈(ばっこ)

という言葉を用いて原田という本間の友人が語っている。

※ここで初めてこの言葉を知りました。笑

 

この人の小説は他にも難しい表現が多く、読むのに苦労した笑

でも、勉強になるので、物語とは別の面白みを感じながら読めたのは良かったかな。

物語性としては、先が読めてしまうので、衝撃を受けるようなこともなければ、ジョークさえも少ないが、評価するのであれば、著者も主人公も客観的な視点から人間心理を事細かに分析することで展開される話は、具体性、表現性ともに高いと思った。

 

例えば

今、ここにいる自分は本当の自分ではない、どこかにもっと…

インターネットという匿名性のある世界観では、現実の自分とは違ったように振る舞えたりするが、それは何故なのか、葛藤や気持ちをを解釈している。

凄く分かる気がして…
自由な世界である分、人間は自分の理想を投影する。

そうすることがプラスになることもあればマイナスになることも。

 

また、本のタイトルにもなっている、リカを菅原という警察官が彼女の行動や人相をこう表現した。

異常に歪んだ自己愛
それが女の正体
純粋な憎悪

 

読み進める中で出来上がっていた私の中でのリカは、もっと強烈な存在だったし、筆者の中でもそうだったのかもしれない。
でも、そう感じた私自身でさえもこれ以上、リカのことを表現することができない。

言葉や文字というものの限界を感じた
これは単なるボギャブラリーの低さではなく、目には見ることのできない『こころ』の難しさ、深さを思い知った。

 

この物語は妄想なんかではない、現実に起こりうる可能性を感じさせる。
だからこそホラーなんじゃないかな。

死んだ人間より生きた人間の方が怖いというのは、こういうことなんだと実感する。

人間は賢くときに愚かである。

 

自制できない理性。

逸脱した自己愛。

 

これらの闇と読む人の世界観が交わったとき、その数だけ意見や価値が生まれる作品だと思った。

 

▼五十嵐 貴久 まとめ
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